日は昇り、今日もアムールは良い景色だ。

今朝、ピエール洞窟にヴィーナス女王とエンデュはいた。

「そなたはまだであろう」

「はい。......しかし今日は必ずや預けます」

「そのいきだ。だが今回、そなたを呼んだのには他に理由がある。セレネは覚えているか?」

「名前は聞き覚え............ありますが」

「やはりか......。ストーンが溶けた事にも何か関係があるかもしれんな」

「何のことですか?」

「......記憶だ。お前は重要な記憶を失っている。自覚はあるだろう。
............昨晩、他国の王達とその事について話し合った。だが、結局何も分からなかった。もしも、何か......どんな小さなことでも良い。異変に気が付けば報告して欲しい。何かつかめるかもしれん」

「............分かりました」

そして、しばらく黙り込んでから彼は口を開いた。

「異変と言えば......昨日、不可思議な事がありました。遺跡から北の通路は封鎖されている。しかし、ナキアはそこを何らかの手で通り抜けたんです」

「何?」