「何だか、寒くなってきたわね」

エンデュはジュノの腕を掴み、足を止めた。すると、ジュノは振り向いた。
彼は黙ってジュノの頭を軽く撫でると再び歩き出す。

「さっきのは、何?」

「..................防具を君に装着した。プリュイは異世界の境界だ。だからあの辺りは、気の変動で雨が降る。寒さを感じたのもその影響だろう」

「あなたはいいの?」

「あぁ。..................余り多くの力は使えない」

先頭でカゲンはすいすいと進んで行く。
彼はプリュイへ着いた。そこは、雨が降っている。

「最悪だなぁ」

雨の中、歩いて行くとトンネルのような通路を見つけた。

覗くと......

その道は上下左右 全体が真っ白なのだが、ところどころグレーの斑が入りゆっくりとそれが動く奇妙な道だった。

「うぅー......これが人間界への通路なのか?」

プリュイにひっそりと存在する奇妙なトンネルに彼は気味悪がった。