ケータイ小説 野いちご

体育館12:25~それぞれのみる景色~

観察日記。


【林(りんちゃん)Side】


 2年1組担任、担当科目英語。


 生徒からは慕われている方だと思っている。


 周りの教師と比べると俺は若い方だから、きっと親しみやすいんだろう。


 “りんちゃん”というあだ名を初めてつけたのは、一体誰だったかはもう忘れた。

 
 そんな俺の趣味は、人間観察。


 バスケ部の顧問である俺は、少し変わったあいつを観察するのが1日の中で1番の楽しみだったりする。


「あいつ、相変わらずいい動きするんだよなー」


 放課後の、部活。


 俺の視線の先には、3年の佐伯恭也がいた。


 学生時代バスケ一筋だった俺の目には、嫌でもあいつの姿が映りこむ。


 シュートを打つ完璧なフォームに、仲間に出す的確な指示。


 あいつは周りをよく見てるし、パス回しなんかはずば抜けてうまい。


 こんな弱小チームにいるのがもったいないくらい、こいつにはバスケのセンスがある。


 少し、羨ましくなるくらいに。



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