家に入ると

 「あら~さよ~?お帰り~」

 と言う久しぶりに聞く声が聞こえた。

 「ただいまお母さん!てか、お母さんこそお帰り!」

 大好きなお母さんが帰ってきた。

 こうたの両親との旅行から帰ってきたのだ。

 「さよ~これお土産よ~」

 と言ってみせられたのは私の胸ぐらいまで積まれたたくさんの箱の山。

 「な、なんじゃこりゃ!?またこんなにかったの!?」

 「あら~またってなによ~いいな~って思ったからかって来ちゃった♡」

 この通り、お母さんは買い物ができないのです。

 あ、買い物はできます。でも買いすぎちゃうんです。

 食べきれないので周りにおっそわけするのが当たり前です。

 「またってまたでしょ!?前回あんなにかって迷惑したってわかったって言ってたよね!?」
 
 「あぁ~うーんそうだったかしら~?」

 ガックリ

 ダメだ。

 このお母さん。

 ガックリ肩を落としているとお母さんがあっ!と声をあげた。

 「な、なに?」

 驚きながら聞くと……

 お母さんはなぜか怪しい笑みを浮かべて近寄ってくる。
 
 私はなぜか後ずさる。

 嫌な予感がする──。

 「さよってこうた君とお付き合いしてるのね♡♡」

 ドキンッ!!!!!!

 嫌な予感的中!!!!!!!!!!!!

 なんでお母さんが知ってるの!?

 「一緒に帰ってたから~♡」

 「あ、そっかぁ~って今心の声聞こえた!?」

 「顔からでてた♡」

 ガックリ……

 もうやだ………

 「ぜーんぶ聞かせてね♡」

 お母さんは天然なのに鋭いというね。
 
 あー、まじやだ。

 てことで明日のことを話しました。

 もちろん

 「明日あったこと全て教えてね♡」

 って言われました。が

 絶対に教えません。