――数日後の昼下がり。


「……マリ、ごめん。あたし、何したか覚えてないけど、ごめん」


場所はルイコの家。
真顔で平謝りのルイコに対し、マリはにっこにこです。


「いいよいいよ。さ、初めよっか」

「だから、ごめん。あたし……何、言ったわけ?」


ルイコの戸惑いは、マリのお荷物を見ることで理解できるでしょう。

スーパーの袋からマリが取り出した物は、かまぼことちくわ、そして、チョコレートでした。


「何って、ほら、仲直りのために。ついでにもーすぐバレンタインじゃんっ!」


この件に関してルイコに非はありません。
全てはマリの四次元脳みそが……。

呆気にとられたルイコとマリの不思議cookingすたーと★(やけくそ)


――――

「ねー……切れないよー。ルイコー。ま、いっか、ちぎっちゃえ」


ぶちり。


「ちょっとマリ! ちくわぐらい切ってよ、ちゃんと!」


言いながらストトトトトと華麗な包丁さばきを披露するルイコ。
ルイコはかまぼこ担当のようです。
……かま担。


「よし、詰めるわよ」

「うん!」


美しい切断面のかまぼこは、醜い切断面を見せるちくわの穴の中に、意外なほどすっぽりと収まりました。


「きゃーこれならあたしも食べられるわっ」

「よかったね、ルイコ!」

「ありがと、マリのおかげよー……なんて言うとでも思っとんかーい!」


ばしいっ、とマリの頬にハリセンがヒットしました。
ノリ突っ込みですか。ノリの部分長くないですか。
てゆーかそのハリセンは、いずこから?