寒風に木の葉が舞っています。
暦の上では春ですが、まだまだ春一番の吹く気配すら感じられません。

若干タイムリーと見せかけて、今は2月の上旬です。


交換ノートのメンバー5名中2名程が離脱を宣言するなどの事件があったような気がしないでもないのですが、私たちは仲良くやっています。



あの今思い返せばひたすら恥ずかしい青春の1Pの日から、一週間。
Firstステージでの時期設定忘れましたからもし春とかだったら、まあ、そこはご愛嬌ということで。

マリはルイコと一緒にテニススクールへ向かう途中です。


「寒いねー……」


マリは自分の手に息を吹きかけながら言いました。


「そうね……でも、春にはまた大きな大会もあるし。マリとペアになるかどうかはわからないけど、4人制の団体戦だから、ワリたちと一緒になれればいーわね」


いくら鈍感なマリでも、ルイコがヨシ君とワリのことを『ワリたち』と言ったことには気がついていました。
ルイコとワリ、素直になれない2人だけれど、お似合いのカップルになれるだろうなとマリは想像しました。


「そうだね。ルイコも頑張りなよ」

「何がよ?」

「こ・く・は・く」


ルイコの顔がぱっと染まります。


「……そーよね……でもタイミングが……えーっと……」

「そっかー。じゃ、あたしがチャンス作ってあげる! ヨシ君にも頼んで!」


ヨシ君の名前をマリの口から聞いても、眉をひそめなくなったルイコ。
女の友情も、ちょろちょろ深まりつつあるようです。


マリはルイコの告白プランを練り上げ、早くもダブルデートの計画を考えているのでした……。