桜は別れと出会いを同時に運ぶ。



確かに――私と彼等の出会いを運んだのは桜だったけれど、悲しいかな、桜は桜だけど残り桜。


それも腐りかけの花びらが気ままに風に舞い、雨も降ったせいかやたらしなれた、終わりかけの桜。


そんな残り桜の時期に出会ったせいか、私と彼等のとっかかりも木枯らしが吹き抜けたようなものから始まった。