一ヶ月後。

ガラス張りのトレーニングルームで、疑似生命体との模擬戦闘中。



「千明!
千明、ちょっと助けて!」



自分の体力の限界を悟った私は、たまたま通りがかった千明に助けを求めた。





目覚めた特殊能力をコントロールするための訓練を始めて、はや一ヶ月。

いまだ私は自分の能力を使いこなせていなかった。


今だって、研究所で作られた疑似生命体との模擬戦闘に受け身をとるので精一杯で、倒すどころか攻撃することさえできていない。

それも、ほとんど攻撃を仕掛けてこない、強さも一番弱いレベルのやつなのに。

これで一番強いレベルのやつと戦ったら、どうなっちゃうんだろう。


はぁ......。とにかく、もう限界。
いったん休憩入れて、千明にもう一回能力を使うためのコツを聞こう。


助けを求めて千明を見ると、千明はウインクをしてトレーニングルームに入ってきた。



「お任せください、プリンセス」