車を下りて、崖のように高くなったところからポツリポツリと民家のある地へと下りていくと。


そこには、ボロボロの服をきて、民家の陰から怯えながらも様子を伺う子供たち。

そして、武装したいかつい男の人ばかりの犯罪組織と思われる人たちと、すでに到着していたブレットたちが何やら交渉しているみたいだった。


サングラスに革ジャンを着たブレットを始め、全員サングラスをかけたサングラス軍団の隅に、一人だけ一際目立つリンレイ。

胸元と腕の部分がレースのシースルーになった黒のワンピースを着て、腰までの黒髪を強風になびかせている。

あんな格好は絶対寒いし、戦闘員の一人だとはとても思えない。


一瞬だけリンレイに気をとられてしまっているうちに、ブレットがネリに何か言ったみたいで、今度はネリが私たちには分からない言語で犯罪組織と交渉を始めていた。


警戒しながらもそれを見守っていると、突然ネリが半透明になっていき、徐々に空気に紛れていく。



「ネリ?どうしたの?」


「交渉決裂だ、後は頼む。
俺はどこにリーダーがいるのか探してくる」