叶side

それからしばらくして
咲と愛ちゃんに心配されながらも
学校に通学した。

私は久しぶりに屋上へ向かった。
ドアを開けると、見たことがある背中があった。

「久しぶり、雷夢。」

彼は一瞬肩をびくつかせ、
とても驚いた顔をしてこちらを向いた。

「叶!?」

私は、なぜ彼が驚いたのかがわからず、
首をかしげた。
すると、彼は笑って

「今まで来なかったから、嫌われたと思って。」

そう言うと、頬をポリポリと掻いた。
私はそれが可笑しくて笑った。
すると、また雷夢はびっくりしたように

「叶が笑った。」

そういった。
たしかに、咲や愛ちゃんの前以外で笑ったのは初めてかもしれない。

「ゴメンネ。家の用事で学校来れなかったの。」

あえて、病気のことは言わない。
私の病気のことを知っているのは咲、愛ちゃん、お母さん、校長先生くらい。