弘樹が、私の心に入ってこようとしている。

それは、なんとなく気づいてた。

気づいてて、気づかないふりをして来た。

だって、面倒だったから。

こいつにかき乱されるのだけはゴメンだ。

弘樹はカウンセラー。

だから、人の心に入ってこようとして来るのは当然だ。

けど、それでも、入って来て欲しくはない。

こいつには私の気持ちなんて分かりはしないのだから。