エセ優等生の高梨と校門で別れた後、いつものようにそのままの足で溜まり場に向かった。



学校からそう遠くない場所にある一軒の古民家。



周りの新しい家に比べると昭和チックでボロいけど、昔の家だから敷地内がやたらと広い。



松の木があったり、庭の真ん中には池があったり。


とにかく広い。



ムダに部屋数が多いから面倒くせぇ、といつの日かライがグチッていたのを思い出した。



同じ敷地にある小さなプレハブを改装したところが、俺達の溜まり場になっている。



引き戸をガラガラ開けた。


今日は特に寒かったから、早く中に入って温まりてぇ。



脱ぎ捨てられた靴があちこちに散らばっているのはいつもの光景。



構わず同じように靴を脱ぐと、そそくさと上がって突き進んだ。