「おい、お前ら」



気配もなく、後ろから低い声がした。



だけどその声を聞いただけで、震え上がりそうなほどの恐怖が胸に込み上げた。



体が小刻みに震える。



雰囲気というかオーラというか……。



背後から漂う鋭い空気。


ひんやりとしたものが流れて来る。


雰囲気だけでわかる圧倒的な存在感に、ただただ圧巻される。



周りのギャラリーや、目の前の二人が一瞬で静まり返ったのを見て、ゴクリと唾を呑み込んだ。



「邪魔」



言葉だけなのに異常とも言えるくらいの覇気があって、それは他の誰とも比べものにならないくらい特別に感じる。



まさに泣く子も黙るとはこのこと?