次の日。


ウキウキしながら、昨日のことをゆらちゃんに報告した。



「へー。まさか、あの一条がねー!」



信じられないとでも言いたそうに、大きく目を見開くゆらちゃん。



「うん!すっごい優しかった!」



「あんたね」



ニコッと笑うと、ゆらちゃんの鋭い声が飛んで来た。



眉を吊り上げて、鬼のような形相。



「ダマされちゃダメだよ!何か裏があるに決まってるんだから!」



「うーん。そんなことないよ!」



釘を刺されたけど、わたしは否定した。


初めて会った時から思ったけど、一条君は悪い人じゃない。



雰囲気とか目付きは恐いけど、中身はすっごい優しいもん。


一条君の笑顔を見たら、きっとゆらちゃんだってそんな考えが覆るに決まってる。