祭り会場を出て、すぐ
一斗が美咲に右手を差し出した。

「ほらっ」

「えっ!?」

美咲は、一斗の手を見て
そのまま顔を見上げた。

「手ぇ出せよ、迷子になったら困るからな」


美咲はそっと一斗の手を握った。

一斗は美咲の手をギュッと強めに握り返し歩く。



“周りから見た私達は恋人同士に見えるのかな"



今まで何度も一緒に歩いてきた2人の影は
いつもよりもっと近くて
恋人同士そのものに見えた。