矢神優side あれから、1ヶ月経った。 あれというのは、あたしが笹山隼斗と出会ってからだ。 図書準備室はあたしだけの場所だったのに、あいつもサボりにくるようになった。 けれど、どこかでそれを楽しみにしている自分もいて、 ああ、今まで1人に慣れすぎていたんだな なんてしみじみ思ったりする。 今日だってほら。 「先輩さぼりすぎっすね。」 そんな嫌味をさらっと言いながら、彼はあたしの正面に来た。