「ただいま~」

私は早く青山くんにもらったムースが食べたくて、急いで家に帰った。

冷蔵庫にムースを入れて普段着に着替える。

「なに、にやにやしてるの。」

そう声をかけてきたのは、2つ上のお姉ちゃん。名前は杏璃。

「ちょっとね♪」

ルンルンしながら着替えてると

「さては男だな。」

と言われた。

「え、何でわかったの。」

「私が星七のことは何でもわかるの。顔に書いてあるくらいあんたわかりやすいんだから。」

やっぱりお姉ちゃんには何もかなわない。

「で、なに?彼氏でもできた?」

さすがに内容まではあてられなくてほっとした。

「違うよ~。クラスの子にムースもらったの。」

「へえ~なんだ。でもいいなあ青春って。」

「お姉ちゃんだって彼氏いるでしょ。」

「まあそうだけどさ~でも「杏璃、星七ちょっと下りてきて。」

お姉ちゃんの言葉はお母さんの声にかき消された。

「お姉ちゃん今度詳しく聞かせてね!」

それだけ伝えると私は足早に階段を駆け下りた。