「そんなんも知らねぇとは、そういやぁ何処の出身だ?」



自分の中でタイムスリップという現実ではありえないことが起きていて
ただでさえ頭がこんがらがってんのに
追い打ちをかけるように、コイツは出身を聞いてくるのだ。
この時代には無い東京に住んでいると言っても信じてくれそうにない。
そこで私は手っ取り早く解決する言葉を思いついた。










「遠い所」




「へぇー遠いねぇ?蝦夷くらいか」




(ふぅーなんとか誤魔化せた。.....蝦夷?まぁいいや)


私が蝦夷が何処か知ったのは随分と後のことだった。



「何よ」

私は男の視線を感じ問い詰める