え?
「アメリカ?」
「うん、実はな…」ビーンポーン!!

あれ…朝から誰だろ…。
「何だよ…もう来たのかよ…。」
「え?誰かと約束してたの?」

「あぁ。チッ!!」
あれ…機嫌悪くなってる。
「俺、でてくるよ。」
俺が席を立とうとしたんだけど、腕を引っ張られて座り込んでしまった。

「いいんだよ、お前は。ここで待っててな。」
隼は優しく俺の頭を撫でて玄関を開けた。

ガチャ「オーイ!!なんだよー…由吾ちゃんじゃないの?」
あ、この声って…
「黛騎?」
「おう!!体調大丈夫か?」
「え?」

なんの事?って聞こうとしたんだけど、その前に、隼がすごい形相で、黛騎のほっぺをつまんで…いや、つかんでいた。
「いひゃい…ひゅん(痛い…隼)。」
「黙ってりゃ…いい気になりやがって!!余計なことしゃべろうとすな!!」

「ごめん…。」
黛騎は顔を歪ませたまま、俺の横にちょこんと座った。
うわぁ…ヒリヒリしてそう…赤くなってる。
「大丈夫か?」
俺は、黛騎の頬を優しく撫でた。
「///!!」
バタッ
「え?大丈夫?」
俺は、黛騎の顔を見ようと覗いたんだけど、机に突っ伏してしまってよく見えなかった。
「ごめん!!…その、可愛い顔で俺のとこさわっちゃダメ!!…鼻血出る…。」
鼻血って…。アイドル見てるんじゃあるまいし…。

「あまり構わないどけ…。お前に惚れてたやつなんだから…顔見るだけで喜んじゃうんだよ。」
「そうなの?」
へぇ…。

「そうそう!もう隼から聞いたと思うんだけど、俺と隼で事務所を開くことになったんだけど、そのために、アメリカに一緒についてきてくれないかな?」

え?

「黛騎のもなの?」
「あれ…隼!!言わなかったのかよ!!俺と隼が弁護士事務所開くって!!」

振り向くと、隼は眉間にシワを寄せながら黒いオーラを放っていた。
「お前が来んのが早えんだよ!!」

「そうなの?」
「あぁ。来てくれるか?一緒に。」

そんなの…。
「もちろん!!俺、英語あんまりできないけど…良いの?」
「当たり前!!俺がフォローするから、安心していい。」
隼は俺の頭を撫でて、暖かい笑顔を見せた。