皐月さんにされちゃってから3日経とうとしていた。
今日は、皐月さんに頼まれて、買い物に出ていた。

「あれェ!?可愛い子がいると思ったら、由吾ちゃんじゃない?」
聞きたくない声…。
「黛騎タイキ…。」

※説明
稲守 黛騎 イナモリ タイキ…俺をいじめていた仲間(?)のやつ※

「お!俺の事、覚えててくれたんだな~!!俺…感動!!」
勝手にしてろっての…。

俺は踵を返して早足で去ろうとした…んだけど…。

「あ~…待ってよ!!ちょうど話があったんだよ!!」
「話?」
俺は足を止めてしまった。
と同時に、腕を捕まれて、喫茶店につれられた。

「…で?」
「まぁまぁ…そんな冷たい顔してんなよォ~!!」
はぁ…。ため息すら出ない。
「早くしてくれます?人に買い物頼まれてるので…。」

「あ、わりぃわりぃ…。ってか…誰かと住んでんの?誰々?」
「チッ…」
あ!俺…今、舌打ちしちゃったよね…コイツに舌打ちなんか聞かれてたら…。

「ん?今、舌打ち…した?「ごめんなさい。」
ゴチッ
余りに焦って、机に頭を叩きつけてしまった。
「…ッ…。」
ヤバイ…。痛いより、恥ずかしいが勝って、しかも黛騎の顔を見るのが怖いのもあって頭をあげられない…。

「…プッ、クハハハ!!」
「え?」
わ、笑ってる!?

「お前、やっぱり変わらないんだな…。あいつのいってた通りだ!!」
そう言って、黛騎は頭をグシャグシャと荒々しく撫でた。

俺がキョトンと顔をあげると…。
「…///。おまッ、それ反則だろ…。」
…反則?何が?
「どういうこと?」

「だから…、お前のこと好きなやつは、そんな顔見せられたら発情の1つもしちまうよって話!!…///。」
は、はぁ!?
俺が焦ってるのに、それに拍車をかけるように、黛騎は話を続けた。

「俺は、アイツと一緒で…由吾が好きなの!!分かる!?」
どうにか…平常心を取り戻してから、俺はコクコクとうなずいた。

ん?アイツって?
「誰?アイツって…。」
「…お前、本当にあいつのことだけ忘れちまったの?」
「え?ま、まさか…!?」
「そう!!斉宮隼!!覚えてないのか…?」
そう言って、黛騎は少しだけ残念そうな顔をした。
「あんなやつ…忘れたよ。」
「あんなやつね~。」