「新しい女中・・・・・ですか」



早朝。朝餉の支度をしようとしたら土方に呼び出され、部屋に入ると同時にいきなり言われた。


「そうだ。近藤さんがお前の負担を考えて女中を増やすことにしたそうだ」


「そうですか。それは助かります」


「年は14。京に住む普通の町娘だ。
明日から住み込みで働く。
部屋はお前と同室だ。いいな?」


「わかりました」


新しい女中・・・・・か。


仕事の量が減ることは嬉しいが、誰かもわからない人といきなり明日仕事をしろというのもどうかと思う。


それに・・・・・。


「お前は芹沢さんの酒の相手もすることになったんだろ?
なら他に手伝えるやつがいたほうがいいと近藤さんが言ってな。
壬生狼の所で働こうってやつは中々いねぇから苦労した。
仕事はお前が教えてやれ。
だが、芹沢さんの機嫌だけはそこねるなよ」


芹沢の酒の相手もある。


機嫌をそこねないためには、また芸を披露しないといけない。


新しい女中に仕事を教えると言っても、彼女の方が私より家事もきっと上手だ。


未来から来た私よりもずっとこの時代の勝手を理解しているだろう。