ケータイ小説 野いちご

むげんはなび

むげんはなび
ドジ、スマホ、りんご飴









口を大きく開けて、ぱくり。

熱々のたこ焼きを口に含んだ。



ソースとマヨネーズの香りやトロトロの生地。

屋台のものはその場の雰囲気からか、やけに美味く感じる。



俺たちは屋台の立ち並ぶ大通りから少し逸れた、植木のそばに座っている。

買ったものを口に運びながら、遠目に祭りを見つめていた。



キャーキャーと盛り上がる甚平姿の女子の集まり。

キラキラした浴衣姿の女子は複数の男子に囲まれている。

走り回る子どもがいれば、洋服でデートしている男女と各々祭りを楽しんでいるんだな。



「水谷くん、りんご飴を奢ってくれてありがとう」

「んーいいよ。
どうせ藤原(ふじはら)たちに奢ってやるはずだったから」



藤原、というのは俺がいつもつるんでいる中のひとりの名前。

奢る話になっていたのは、夏休み前にした内輪だけのカラオケ大会の罰ゲーム。

優勝者が奢るとかどんなだよって話だよな。

いつも俺が勝つからってのが見え見えだったし、別に夏目にでも''奢った''ことには変わりないしいいだろ。







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