なにが起きたのかわからないまま、ひとり片づけを済ませた。

近くに置いていた荷物を叩いて抱え上げる。



……夏目と過ごした時間は嘘、だったのかな。



重く響く下駄の音を聞きながら、ゆっくり祭りが行われている駅へと向かう。



屋台の端の方にまで戻って来た時、兄貴にバケツやら花火で使ったものを返し忘れていたことを思い出した。



くそ、面倒だな……。



髪を雑にかき上げて、体の向きを変えると袖を強く引かれた。

ハッとして振り向くと、



「みず、たに……っ」



そこには様子のおかしい岩倉の姿があった。



「なにしてんの、いわく、」

「水谷さっき誰といた⁈」



慌ただしく周りを見て、俺の言葉を遮る。

その声は切羽詰まったものがあった。



「ねぇ、花奈といなかったよね!
別の女の子だよね⁈」



岩倉にまで夏目に見えていたってことは……。



「夏目といたよ。……多分、な」



彼女の顔から、色が消えた。



「う、そ……。嘘。ありえない」

「どういう意味だよ」


























「花奈、亡くなったの。
交通事故で2日前に」




































「────え?」