ケータイ小説 野いちご

初愛

初愛
9

人生最大の大掃除が1週間かかって終了した大晦日の午後。

3月末にこの部屋を出て行くんだからと、ママに急かされて渋々片付けた。捨てられなかった品々をダンボール箱に詰め込んで家の裏の倉庫へ運んでたら、リビングにいたはずのママの笑い声が聞こえた。



「佳代ちゃん…どうしたの?」

大人っぽい格好でママとケラケラ笑う佳代ちゃんがいた。

「何よ、その格好?
初詣に行く約束してたでしょ!」

あ…忘れてたわ
口を開けてフリーズした私をギロっと睨んでから、ニヤリと笑う。

「早く着替えておいでよ」


佳代ちゃんに言われて慌てて部屋へ駆け上がって、クローゼットの扉を開けた。


デートに行くみたいな格好をしていた佳代ちゃん。適当な格好は出来ないな~と呟いてみたいけれど。

いつもの5人で近くの神社に行くものだと軽く考えて、寒くないように黒のダウンを掴んで部屋を出た。


「お待たせ…」

リビングでママと話してた佳代ちゃんは、女子力低めの私に残念だなって視線をバシバシ送りつつ。

「じゃ、おばさん行って来ます」
とママに笑顔を向けた。


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