ケータイ小説 野いちご

初愛

初愛
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クリスマス直前の週末。お洒落して、朝から家を出た。

「今日、晩御飯要らないから」
キッチンから顔を出したママとはあの日以来殆ど目を合わさない。パパに気づかれない程度に会話を交わす私たち。


早足で駅まで出て、トモの車を探した。すぐに見慣れた黒の四駆を見つけて、近寄りながら手を振る。


「お待たせ」
助手席のドアを開けて、トモに笑顔を向ける。

私を見て表情が驚くトモ
「お前…化粧、してる?」

「ん、…………」
トモを見つめたまま、小さく唇を尖らせて頷く私



卒業間近な私たちはデパートやアーケード街を歩けば、化粧品店で沢山の試供品を貰っていた。

眉を整えてもらうだけでなく、簡単な化粧もしてもらう。

今日は、この前貰った試供品のアイシャドウやマスカラを使って軽く化粧をして家を出て来た。


派手な印象がして最後まで悩んだけれど、いつもの薬用リップではなく、唇に重さを感じる艶のあるグロスを付けていた。



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