翌朝、騒がしいくらい
何十回も鳴り続ける携帯の音に
まだ、熟睡中の男を
揺さぶり起こした。


「真弓が先に起きるって珍しいな」


寝ぼけた様子で
私の顔を見ながら言う男に
思わず


「え、あ・・・うん」


やはり、ときめいてしまう自分がいて
挙動不審だ。


って!違うじゃん。



「携帯、ずっと鳴ってるよ」


「んー?あぁ・・いいよ。別に。
もうちょい寝ようか。
な、真弓も来い」


その言葉と同時に
男の布団へと引きずり込まれてしまった。


こ、これはダメな体制ではないか!?


男の手が私のおなかを
抱き寄せるように腕が回り
至近距離で
吐息がかかりそうな顔の近さ・・・。


心臓が・・・心臓が

絶対、聞こえてる。

心臓の音と共に体までもが揺れて

これで伝わらないってのがおかしいくらいだ。



「何だ?俺相手に
脈拍すげぇって
どんだけ男に免疫ねぇんだよ。はは
こんなんじゃ
彼氏できたら
どえらい事になるんじゃねぇか?」


いやいや、あんた相手だから
こんなになってんだけど・・・・。


・・・言えないけどさ。