放課後。


帰りのHRが終わると、あたしは鞄を持ってすぐさま隣の颯太のクラスへと向かった。


颯太のクラスのHRが終わったのを確認して、あたしは扉のところから教室の中を覗いてみる。けれど…またもや教室に颯太の姿がない。


あれ?もしかしてHRが終わってすぐ、反対側の扉から出て行っちゃったかな?

知らない間に、颯太の姿を見逃してしまったのだろうか?


あたしが、扉のそばで1人考え込んでいると…



「あれ?杉崎…?」


「あ…深沢(ふかざわ)くん」

名前を呼ばれてそちらのほうを向いてみると、そこにはあたしや颯太と同じ中学出身の、深沢リョウくんが立っていた。