────20××年。3月15日。
「みんな~!中学行っても友達だよ!」
「先生!みんな!元気でね!」
私────楯山美玲(ミレイ)は今日、小学校を卒業した。
隣には泣きわめいている子や、写真を撮ってはしゃいでいる子もいる。
私はその中の写真撮影に加わっていた。
写真は好きじゃないし、いつも作り笑いだけど、今日くらいいいかと思って。
いつものように作り笑いで写真を撮っていた。
「美玲!この後楽しみだね!」
「うん。楽しみだね!」
この後───つまり、卒業式が終わった後、みんなでジャスピに行くことになっている。
初めての親なしだから、私はすごく楽しみにしていた。
卒業式が終わり、家で支度をするときも、
ワクワクして仕方なかった。
きっと、楽しいと。
その時はまだ、そう信じ込んでいた。