クラス分けの貼り紙の前には人だかりができていた。

わたしは、ドキドキしながら、その人だかりの中に足を踏み入れる。



隣にいるカナは、笑顔を浮かべていた。



だから、わたしは自分が何組かは分からないけど、きっと、またカナと同じクラスなんだと分かってしまった。

去年も、一足先にクラス分けを確認したカナから、



「ハル、1年8組だったよ、今年もまた同じクラス! 腐れ縁だな」



なんてことを言われた。

だから、わたしは、クラス分けの紙を見るまでもなく、カナと同じクラスだと知っていた。



だけど、今年、カナは何も言わない。

春休みにケンカして以来、何となくギクシャクしたままなんだ。



寂しいけど、仕方ない。



だって、それでも、カナを怒らせてでも、わたしは不正は止めて欲しいと思ってしまったのだから。

あれから、頭を冷やしてきたらしいカナが、もう一度やってきて、「前言撤回して」って優しく言ったのにも、わたし、うんって言わなかったから。