星が見たいと思ったのは、この時が初めてだった気がする。

だってここは雪国。北海道だ。

夜になって空を見上げると呆れるくらいの星が見えた。そして私は子供の頃から当然のようにそれを見続けていた。


だから特別星の観察をしようと思った事なんてなかったのに、この時は違った。



理由は朝のニュース。


食パンに目玉焼きというありふれた朝食を食べながら、ふと目についたテレビ。


「……獅子座流星群」


そこでは天気予報のキャスターである20代半ばの女の人が和やかに微笑みながら、今日の深夜から明日の夜明けまでが流星のピークになるであろう事を告げていた。