その夜、涙菜は何だ何なのかわからなくなっていた。
 涙菜は自分の部屋で顔を真っ赤にして枕を抱えて、ベットの上にいた。
 そして、混乱状態のまま優奈の言葉が頭の中に浮かび上がった。

  ”ぼ、僕の・・・好きな人は・・・君だよ・・・”

「・・・優奈・・・私の事好きって言った・?・・・いや、まさかね私の聞き間違いだよね。・・・でも確かに・・・あ~もう!!」

 涙菜は頭に枕を乗せてベットに蹲った。そして、またあの言葉が頭に浮かび上がった。今度は繋ぎ合わせて、

  ”僕の好きな人は君だよ”

「やっぱり、言った・・・。」

 さらに顔を赤くして、呟いた。
 暫く考えていると、ケータイが鳴った。メールがきたからだ、メールを送って来たのは・・・優奈。

「ゆ、優奈からぁぁぁぁ!!ど、如何しよう、読むほうがいいよね。でも、なんか勇気がない・・・。」

「“読めばいいじゃん”」

「?」

 吃驚して振り向くと、其処には髪の長い女の子・・・屋上にいた幽霊だった。