次の日、涙菜は両親に見送られることなく、日焼け止めクリームを塗り日傘を差して学校へ登校した。
 涙菜は一人で行こうとしたが、

「おはよっ!夕闇さん!!」

「!!(びくっ!!)」

 
 涙菜の肩はいつもどお大きく跳ねた。

「あっ、天本さん。お早うございます。」

「夕闇さん、そんな堅っ苦しい挨拶しなくてもいいのよ。それに、もう私達ともだちでしょ?」

「えっ・・・」

「昨日あんなに話したでしょ?だから、私達はもう友達・・・でしょ?だから私のこと梨恵って呼んでね。」

「友達・・・」

「うん・・・友達・・・」

 涙菜は自然と涙が零れた。
 そして泣きながら、

「あ、ありが・・・有難う・・・」

「ちょっ、どうしたの?夕闇さん。泣かなくても、私と友達って嫌なの?」

「う、ううん、凄く嬉しい。有難う。それから私だけ、梨恵のこと呼びつけって可笑しいから、私のことも涙菜って呼んで?」

「うん!解った。じゃ、これからも宜しくね。涙菜」

「うん、梨恵。」