其の一 忘却

「ふぅ・・・」
彼は白銀天龍、容姿端麗、頭脳明晰、運動神経抜群のクールな中学二年生、今日も退屈な日々を過ごしている。
「全く、つまらないことばっかの世界になんで生まれたのかな。」
彼には肉親も、友もいない、孤独な存在であった、自分の天性以外は何もない。
ただ時間が過ぎていくうちに、誰かの声が聞こえてきた。
「こっちへ来ない?」
「・・・誰だ。」
「楽しいかもしれないわよ?今よりは」
「・・・・・」
「兎に角、後悔はしないわ、さ、行きましょう。」
「!?」
突然彼の下から奇妙な「スキマ」が開き、一瞬で飲み込んだ。

「・・・・・!」
「此処は・・・」
目の前には
「何処だ・・・?」
ただただ自然が広がっていた。
正確には、花や緑があった


此処は幻想郷
此の世から忘れ去られし物が流れ着く世界。