まだ真ん丸には程遠い白い月から
淡い光が降りそそぐ。

白い玉砂利が敷き詰められ、
歩くと小気味よい音がする
ところどころに灯る外灯が
静かに揺れている。

湯を浴びタシーのマッサージで
リラックスした私は、
うとうとしながらも
なんとか帰国するタシー達を
見送った。

これからは一人で
頑張んなきゃいけないんだなぁ・・・
離れていく馬車を見ながら思う

毎度の事ながら
やっぱりこの瞬間は
ちょっとしんみりとしてしまう。

「クラァス様、
 御部屋にもどりましょう」
馬車が夜の中に溶けていくと、
しずかにそう声をかけてくれたのは
ピコランダで私の世話をしてくれる
メイドさんのハトナだった。