ケータイ小説 野いちご

当て馬ならし

第二章
第二話 当て馬後押し

アル王子はとてもいい人だった。
礼服に包まれても
その肉体が
鍛え抜かれているのが分かる。

長身でガッシリと
安心感のある印象なのに
笑うと目じりに出来る笑い皺が
とてもかわいくて魅力的だった。

タシーの話では、昨日から続けて
夜は各国の姫や国内の要人の令嬢に
対応しているのに
疲れた表情もみせず
私の話を聞いてくれた。

王と王妃と王子が現れたのは、
優雅な食事がすんで
しばらく経ってからだった。

城から馬車で劇場に入り
用意してある個室まで
見事な待遇で誘導。

既に劇場内からは
音楽が聞こえる
柔らかい赤絨毯が続く
白い大理石の床
狭いけど心地よい光に満たされた
階段や通路
柱や天井に施された
彫刻が目に入って楽しい。

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