我が国・・・
その言葉に思考が動き出す

『俺の国の事だ』

そういって微笑んだ
優しい響きが心に蘇った

この国を守ろうとしている魔術師を
思い浮かべる

その夜色のローブが
堂々とはためき
眼鏡の奥の知的な瞳が
湛える深い青を

身体の中に・・・火がともった・・・

「・・・するか・・・」
そうだ、私はこの国を
守りたいと思った
「なんですか?
 よく聞こえなかったですよ」
からかう様に言うジフェル
私は、その歪んでしまった欲望を
抱いた魔術師を睨みつける
そして大きく息をすって

「屈するものか!!!!」

そう宣言する。

ジフェルは一瞬、
私の声に驚くように肩をすくめたが
その後、吐き捨てるように言った
「つまらないねぇ・・・
 まぁ、知ってましたけど」

そう言って止めていた歩みを
再開する。