「なのに・・・
 また俺は見誤ってるのか?」

自分の魔力を正しく使い
魔力を振りかざして奢らず
自分を利用しようと
接してくるものを信用しないで
あれから生きてきた・・・

面倒くさいという理由をつけ
好感をもたせない事で
人との関わりを避けてきた

でも、私にはわかる。
王や王妃や兄を見て育ってきた
心根の根本にある優しさが・・・
彼を非情にはさせられない。
だから、今また彼は苦しんでいる。

最年少で最高学位をとるほどの
天才が苦悩している。
不安に支配されて・・・
思考を止めているから。

今回の花嫁選定試験は、
そんな彼には相当な負担
であっただろう

ただ・・・そこで内側に
注意が集中した
ジフェルはその隙を
見事に突いた。