「高橋!!起きろー!!」
「!?」
大きな声で名前を呼ばれ、飛び起きた。
「あはは!寝癖すご!」
目の前には指をさしてゲラゲラ笑う、安川の姿。
「朝からうるせーな。・・・って」
そういえば、妹尾は!?
隣を見ると、誰もいない。
ホッとしたような、残念なようなー・・・
「泰葉なら朝早くから立川と散歩しに行ったよ」
「あ・・・熱は?」
「もう下がったって」
「そうか」
良かった。
「で・・・高橋」
語尾にハートをつけ、安川が近寄ってきた。
「なんだよ・・・気持ち悪いな」
「昨日、どうだった?」
「は?」
「とぼけないでよ。二人して同じ薔薇の香りさせといて」
「薔薇の香り?」
一緒に寝てたから香りがうつったのかー・・・
「内緒にしといてあげるから教えてよ」
「お前に教えるようなことは何もない」
「えー!?」
「ていうか、もうこういうことやめろよ」
「やめろって言われても、旅行に行きたいって言ったのは泰葉だし」
妹尾が?
「でも、そんなこと先生に言えないって泰葉が言ってたから私が計画したの」
「そうだったのか・・・」
知らなかった。
妹尾からどこかに行きたいとか、あまり聞いたことなかったから。
「だから、私と立川に感謝してね!」
「あぁ。ありがとな」
「えへへ」
「でも、部屋に鍵をかけるようなことは二度とするなよ」
「はーい」
本当にわかってんのか?