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 目覚めると、いつの間にか夜になっていた。



 まだ目覚めない脳を起こすため、体を起こす。



「涼馬くん・・・?」



 完全に開かない瞼を、頑張って上に持ち上げ、周りを見渡す。



「起きましたか?
よく眠れましたか?」



 普通、漫画だったらにっこり微笑まれるはずの場面。


 でも、彼は少しも笑わない。


 口調も、変わらない。


 台詞は優しいのに。



「うん・・・眠れたよ。
ごめんね、心配かけて」



 不思議な今の場面で、すっかり目覚めた脳と目。


 人間目覚まし時計か?


 朝の光よりスッキリ起きられるよ?



「由真は何も心配しないでください。
わたくしは見習いですが、現在は由真の執事。
由真が心配することはなにもありませんよ」



 突き放された感じが、少し寂しいかも?