「泣くなよ…」


ぽんぽんと優しくあたしの頭を
撫でる。

明日、上村君は引っ越してしまう。


「離れちゃいや……」


「俺も離れるのはいやだけど。ごめん。
仕方ないんだよ」


上村君が切なそうな顔をする。


「毎日会えなくなっちゃう…」


「毎日じゃなくなるけど、絶対に
会いに行く。絶対に」


そう言うと上村君があたしを抱きしめた。


一気に涙が溢れる。


※もちろん、溢れ出たのは涙ではなく、
目薬である。