村の東を行くとある。

エリア1と呼ばれる地帯――。

「エリア1にゃ、魔物がいる。そのせいでこの町の湖も涸れてしまった……どうかこの町のために魔物を殺してくだせぇ……」

そう男は言ったきりしゃべらなくなってしまった。

「くそ!!　許せねぇ――。」

「まぁ、待てよ。ゲームのイベントなんだからさぁ……」

昔からサクラは変に正義感が強くて感情のコントロールも出来ないくせに暴れるやつだなんてダイチは思っていた。

サクラはダイチの思ったとおりに感情を抑えきれずにいた。

そんなこんなが1時間前――。

「どこにいるんだよ。魔物ちゃんはぁぁ。」

ついに飽きてしまっている。

でもダイチはもう慣れてるような顔をしている。

見渡すかぎりの草原が広がり、ちらほらと蟷螂のようなモンスターがいて、こいつがビックリするほど弱いもんでサクラはそれに飽きてしまったのである。

「おい!!あれ見ろよ。絶対あそこにいるはずだ。」

指差す方に洞窟があった。

先は真っ暗で蝙蝠が多く住んでいた。

先に進めば進むほどに嫌な気がして行く。

それがたまらなくわくわくさせるのだ。

それが頂点に達した時、目の前に破顔一笑しながら出迎える魔物がいた。

「グフフフ。」

不気味に笑う魔物は一歩一歩と2人の元へやってくる。

ぐしゃ、ぐしょと鳴り渡る足音を聞くたびに2人の心臓が唸り声をあげる。

サクラは震えながらも剣を手にした。

「(コイツはドラゴンなのかそれとも恐竜か？)」

サクラの内ではいろいろな言葉が飛びかって言った。

決心してサクラは口を開いた。