二人は村の東へと向かった。

村の賑わいが少しづつだか薄れてゆく。

その賑わいがいつしか、鳥の囀りになった時、目の前に森林が広がっていた。

森には多くの鳥モンスターがいた。

攻撃を仕掛けるのはごくわずかでほとんどは害の無いものだ。

絶えず聞こえる囀りは癒しをあたえ、漏れ出す木漏れ日は力を与えてくれる。

二人が30分ほど歩いた時だった。

蜘蛛の巣を払い除けた時、巣の持ち主は現れて、威嚇をしてくる。

蜘蛛というが、とても大きなモンスターであった。

さっきまでの鳥の4倍の大きさ、分かりやすく言うと120センチ程もある。

斧を構えると、斧は蜘蛛の糸に絡まれ攻撃できなくった。

「速歩するぞ……オレにつかまれ」

サクラはそういうと、ダイチはサクラにつかまった。

判断が遅かったのだろうか。

サクラの足にはすでに糸が……

如何すれば良いのだろう?

理不尽な話だ。蜘蛛が怒る理由は巣を払い除けたから。

なのに、なにもなしに許してくれと思ってる。

それだけじゃなく、攻撃しようと思ってる。

そうサクラは思った。

「悪かった……」

サクラは頭を下げる。

蜘蛛に人の言葉が通じるわけも無い。

涙した。涙は頬をつたる。

「ごめんなさい。許してください」

今度は深くお辞儀をする。

「いいでしょう」

モンスターかと思われた、蜘蛛は精となり、話した。

「良い心の持ち主ですね。自分の罪を認めれるものである。よろしいでしょう。行きな
さい、コースタへ」

精霊が消えると、さっきまではるか遠くに見えていた出口はもう目と鼻の先にある。

コースタの入り口――。

そこは、メガロポリスと劣らない賑わいがあった。