伊東一派入隊後、新撰組は組織を再編成することになった。


もちろん、局長は近藤局長のまま。


「参謀・伊東甲子太郎、総長・山南敬介、副長・土方歳三……」


「副長助勤の面々はそんなに変わらねえな。

伊東派が少し入ったくらいか」


総司は一番隊隊長、あたしは名簿には載らないけど監察方のまま。


「わー、にぎやかだなあ」


貼りだされた組織図の前でわちゃわちゃする隊士たちの後ろから、のんびりした声が聞こえた。


そちらを振り向くと、立っていたのは……。


「平助くん!」


「ただいまー、楓!俺がいなくて寂しかった?」


少し髪が伸びて、額の傷が隠れるくらいになった平助くんだった。


相変わらず人懐こい笑顔で、あたしに抱きついてくる。


寂しかったといえば寂しかったけど、抱きつくなっ!


「平助っ!」


あたしが抵抗する前に、総司がべりっと平助くんをあたしから引きはがした。