ある街の大通り。
その通りにあるパン屋『ブーランジェリー・フルドール』。
私はそこで働いている木下 菜子(きのした なこ)です。


今年で24歳になり、ここのパン屋で働き始めて3年経ちます。
他の社員と比べて私は年上の方ですが、このベビーフェイスのおかげでフツーに高校生(稀に中学生)に見られることが多いです。
コンプレックス以外のなにものでもありません。




「木下くーん、今日早番だったよね?
そのパン並べ終わったら上がっていーよー」



「あ、はい店長!…………それでは、お先に失礼します」



「おつかれさーん」



「木下さんお疲れさまです!」



「じゃあ、後はよろしくね彩乃ちゃん」