岡野一樹。


勉強運動なんでもできる。
その上イケメンというモテモテの人。


もちろん私とは同じクラスというだけでなーんにも関わりがない。

もちろん喋ったことなんてもない。


だからそんな人を無視するくらい楽勝、って思ってたんだ。


でも現実はそうは行かないらしい。



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次の日。



いつものように過ごす予定だった私。


でも、


「ねーねー岡野ー、赤坂呼んできてー。」


「岡野君、これ赤坂さんに渡してきてくれる?」



昨日、一緒にトランプやったクラスメートたちが
岡野君が私に話しかけるよう努力している。



うわぁ、みんな熱心だなあ。
それを勉強に生かせばいいのに…。なんて、
他人事のように思ってると岡野君に声をかけられた。



「ねえ、赤坂さん。」


イヤホンで音楽を聴いてる振りをして、
岡野君の声が聞こえない振りをする。



すると岡野君は私のイヤホンを無理やり耳からはずして、


「赤坂さん、みんなが呼んでるよ?」


と言って去っていった。