【蘭子side】



今日はアイツがいない。



一人とぼとぼ歩く登校中に、アイツの顔が頭に浮かんだ。


桜井諒哉………


話掛けられ過ぎて夢にまで出てくるんですけどね。


でも……なんだろう。


いつも助けてくれるのは、桜井諒哉なせいか少しずつは見方が変わる。



はぁ~………。


ため息を吐いたところで今の状況が、変わるはずないけどさ。


校門を通ると、黒のワンボックスの車が停まっていた。


おっきいから目立つ。



「ありがとうございました~!」

「車で学校とか、すっげー楽~♪」


車から降りて来たのは、よりによってあの不良?3人集。


金髪、赤髪、黒髪と朝から目立つことで。


結局、桜井諒哉に会ってしまう結果みたい。



あたしは通常通りシカトでスルー。