【蘭子side】



小さい頃がずっとそう。


グループだの集団だの族だの縛られることが大嫌いだった。


窮屈な空間より一人でふらふらしてられる“自由”が何よりも好き。



それは、高校1年になる今も変わらず健在。



桜が散る道を一歩一歩踏みしめ、一人で入学式へと向かう。


自由過ぎるあたしは県内1と言われてるヤンキー校に入学。



金髪ストレートを春風に靡かせて、いくつも空いたピアスをチラつかせ濃いメイク。


紺のセーラー服だって着崩してる。



校門を通れば、もちろんこんな身なりだから男女問わず何人もが二度見。


ハッキリ言ってこうゆうのうざい。


「ちっ………」


軽く舌打ちしてイライラを吹き飛ばした。



玄関のクラス表を見れば1―Cにあったあたしの名前。


引地蘭子。


今日からあたしの自由な新生活が始まる。