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入学式から引き続き学部オリエンテーションを終えた俺は、キャンパス内に設置されてあるベンチへと腰かけた。



慣れないスーツに慣れない靴。



将来小学校教員を志望とする俺は教育学部に所属しており、結の彼氏の葉月は同大学の法学部所属だ。

本来ならば結もキャンパスは違うが、同大学の医学部への進学が決定していた。


受験生活はいつも三人で、必死に勉強してたのが懐かしい。


異色のカップルだったが、美男美女。


その二人に囲まれた俺は、ただの囚われた宇宙人。



結と葉月の温度差のありすぎる関係が俺は、大好きだった。


もうそんな光景を見ることはできないのだ。



そう思うと涙が自然に流れてきた。