「拓人くん!」


「なに?」


声をかけてきたのは、川嶋だった。


「恋歌なんだけど、体調悪くて、保健室いるから!」


「は?」


「じゃあね〜!」


恋歌が?

そもそも、なんで川嶋が俺に言うんだよ。



六時間目は、体育で、男女別れていた。


どうせだったら、見に行くか。



ホームルームが終わって、保健室に向かった。


「失礼します。」


保健室には、誰も見当たらなかった。

聞こえるのは、誰かの小さな寝息だけ。


「恋歌?」


一つだけカーテンが閉まっている、ベッドを覗き込んだ。



いた。