「ねぇ、なっちゃんて、姉妹とかいないよね?」
休日の昼下がり、私は今、“狼嵐”の倉庫にいる。
前日に、明日は倉庫に来て、と蒼に半泣きでお願いされた。
私は蒼に弱く、仕方なくここへ来た。
来た途端、蒼に腕を掴まれて一緒のソファに座らされ、最初に至る。
二週間経っているから、てっきりあの夜のことは忘れているかと思ってたのに、今になって訊くのかよ。
「いない」
きっぱり答えても、納得してないようで。
「なんかね、似てる人がいたんだよ」
「へぇ、どこに?」
「訊くの、それ」
「いや、行って見て来ようかなって」